じんぎすかんあんべの店主が語る、団らんの中心にある遠野ジンギスカン
エンジニアからジンギスカン店主へと転身し、家族で囲む食卓の幸せを知った店主・安部さん。自身が感じた”団らん”のぬくもりを世界に届けるべく、毎日奮闘する安部さんに、ジンギスカンに込めた思いを伺いました。
遠野市出身の店主・安部吉弥(よしや)さんは食堂「じんぎすかん あんべ」の長男として生まれました。この食堂は現在も続く「じんぎすかん あんべ」の前身で、市民に愛される食堂兼精肉店として一日市通りにお店を構えていたそう。高校卒業までをこの食堂とともに過ごし、大学進学を機に仙台へ。その後約10年間、システムエンジニアとして全国を飛び回る日々を送っていました。
2001年、2人のお子さんと高齢になった両親を前に、自身の働き方を見直すことになります。
「当時は出張が多く、ほとんど家にいなかったので、もっと家族と一緒にいたいと思ったんですよね。」
こうして家業を継ぐ決意を固め、遠野に戻った安部さん。エンジニアからジンギスカン専門店の店主への転身で戸惑いもありそうですが、気づいたのは意外なことでした。
「こんなに家族と一緒にいられるんだって思いましたね。」
それまで家族と食卓を囲む機会が少なかった安部さんにとって、家族そろって食べる食事のおいしさと団らんのあたたかさが、深く心に沁みたといいます。
さらに、一度遠野を離れたからこそ、遠野ならではの文化にも改めて気づきました。
「遠野の人って家族が帰省してきたときや、近所の人や仲間で集まったとき、『みんなで何か料理を囲んで団らんする』という文化がありますよね」
「人生大変なことはいろいろあるけど、みんなで集まって楽しむときは楽しむ、そんな潔さが遠野の人にはあるなと感じました」
年間何百回も聞かれる「なんで遠野でジンギスカン?」という疑問への安部さんが出した答えは「団らん」でした。遠野の人たちが受け継いできた『みんなで何か料理を囲んで団らんする』という文化の中心にあったのが「ジンギスカン」だったのです。
こうした経験から「団らん」のあたたかさと大切さを実感した安部さん。
その気づきから「世界中に団らんの幸せを届ける」という経営理念を掲げ、2023年10月には店舗を丸ごと建て替える大幅リニューアルを実施。お店全体が「団らん」を感じられる空間に生まれ変わりました。
もちろんお料理にも団らんを感じられる工夫が施されています。
イチオシのメニューは「あんべ食べ比べセット定食」。全国でも珍しいマトンのお肉を含めた複数のお肉を味わえる一品です。ジンギスカン用のお肉として利用されることの多いラム肉は生後1年未満の仔羊のお肉で、あっさりとした味わいが特徴。一方、生後2年以上の羊を使うマトンは、羊肉の風味をしっかりと味わうことができますが、適切な下処理を行わなければ臭みが強くなってしまいます。おいしいマトンが楽しめるのも老舗「じんぎすかん あんべ」のおすすめポイント。長年培ってきた職人の技を活かして、みんなでわいわい様々な味を楽しめる食べ比べセットを提供しています。
さらに本年9月からは店舗内にある中庭にてバケツジンギスカン体験を開始。より遠野の文化に触れられるよう工夫されています。
最後に、安部さんからメッセージをいただきました。
「世界中に団らんの幸せを届ける」という理念のもと、ご家族での団らんはもちろん、小さなお子さま連れや、お一人様も歓迎です。気軽に立ち寄ってください。
遠野ジンギスカンを囲んで、とっておきの”団らん”を
お店の外観からお料理、接客にいたるまで。あらゆる場面で団らんを感じさせてくれる「じんぎすかん あんべ」。食べ比べセットを囲みながら、お気に入りの味を探してみてはいかがでしょうか。






