永遠の日本のふるさと遠野
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遠野語講座

第14回 すっけおごご

遠野で日常的に使われている「お国言葉」をご紹介します。ぜひ声に出して、その響きのあたたかさを味わってみてください。

遠野語講座

「なんたらまんつ、はずまってらのがは?」
ケンジがだいぶ遅れてはいってきた
「なんだよ、もうやってんのかよ」だね、遅れてきたのに、この態度はいけないね
「なんずだどおもってんのよ、いまころぬなってがらぬ!おせじょ」
タイチの返事、つまり「何時だと思ってんだよ、今頃になって!おせーんだよ」と言う意味だね
ここのポイントは「おせじょ」だね、「うまいぞ」とか「いいぞ」とか、言うときにこの「じょ」は使えるよ、
「じゃ」「じぇ」と「じょ」を上手に使えれば、立派な遠野人だじょ。
「しでやずらだなや、にぐっこのごってらが?」ケンジが聞いた
「しでやづら」は「ひでーやつらだな」だね、「ひ」が「し」になるのは、東京のしとは使いやすいね?
「にぐっこのごってらが?」は、いいね?相手に質問するときはこの「が?」で終わるといいんだよ。
「まだあっからよ、まんつこさきてねまれ」ササキが彼女の隣を空けて言った
「まだあるよ、まあ、こっちに座れよ」だ、ササキは案外気が利くのだ。
さっそくケンジも食べ始めた、タイチハみんなの分も焼くのに忙しい
ジンギスカンも鍋である、したがって遠野にも鍋奉行はいる
「これちょうどいい、ほれ、け!」みんなの小皿に入れてまわっていた
「食べろ」の「け」は、もういいね
「あー、うんめ、やっぱり、遠野のジンギスカンはんめ!」ケンジは感激だ
美味いも、さらに強調されると「んめ」になるんだよ
「そが、いがった、いがった」タイチも喜んでもらってうれしいのだ、「そうか、良かった良かった」だね。
肉も食べ飽きたころ、ササキがケンジに言った
「そっつのおごごけろじゃ」、わかるかな?「そっちのおしんこ、つまり漬物とってくれよ」だね、
漬物が「おごご」だよ、「なぬ、くれずぼかぶが?ほれ」ケンジが渡した、
「くれずぼかぶ」は遠野の代表的な伝統野菜の辛い蕪だ、
「なにそれ?」彼女がササキ聞いた
「これはな、暮坪かぶってな、こごですかとれねんだ、なまのままそばでくってもいども、つけものもんめんだ」
この蕪はとても辛く、生をすりおろしてそばに絡めて食べると、これまた格別なのだ、
ついでに少しおごごをつまんだケンジはびっくりして言った
「じゃ、ぺっこすっかぐねが?」久し振りに食べたら酸っぱかったようだ
「酸っぱくないか?」を「すっかぐねが?」と言うからね、
「酸っぱー!」って言うときは「すっけー!」で、いいんだよ、
「そんたなごだねべよ」ササキも食べてみた
「あめでねべ?」タイチも心配そうに聞いた
「飴なんかじゃ、ねーつうの」彼女は意味もわからずつっこむ
食べ物が古くなって、腐ってきたり悪くなってきたものを「あめる」と言う
ササキは一応丁寧に説明したのであった
「なんともね、こったなもんだ、まず、ビールも飲めじゃ!」タイチはみんなに勧めた
「アルコール消毒だ!ガハハハ」 遠野人もオヤジギャグは言う
なんとなく疲れてきた彼女が提案した
「ねー、みんなでカラオケ行こう?」みんなも賛成だった
「んだな、そろそろ、うだっこでもうだいさいぐが」
遠野では歌にも「こ」がつくのであった。

[[[ 多田きんや プロフィール ]]]

1955年遠野市生まれ、千葉県在住のガーデンデザイナー・グリーンコーディネーター。本業の傍らイラストレーターとしても活動、遠野のイラストマップ、双六、カルタなども旅の蔵にて販売している。
本業のガーデニングの本、農文協の「きんや先生の園芸教室・はじめての寄せ植え」や旅と思索社「二十世紀酒場1,2」などがある。


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