伝説が今も語り継がれる町「遠野物語」の世界を知る・巡る
遠野郷にはこの類の物語なお数百件あるならん。
我々はより多くを聞かんことを切望す。
願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ
民俗学者の柳田國男が1910年刊行した書籍『遠野物語』は多くの人々に読みつがれています。
そんな『遠野物語』の舞台となった岩手県遠野市は今なお河童や天狗といった妖怪、山の神、水の神、ザシキワラシやオシラサマなど独特な信仰や風習と共存しているのです。
その遠野をより深く知って、実際にその土地を巡ってみましょう。
目次
◉遠野物語の世界を知る
遠野の旅は、ここからはじまります。
古くから伝わる伝承や物語が息づく遠野の地。柳田國男の『遠野物語』に描かれた不思議な世界を紐解く鍵は、この地の歴史や文化に隠されています。まずは、遠野の物語に触れることのできる施設を訪れてみませんか?
遠野市立博物館
不思議に満ちた遠野を知ろう!遠野の文化と伝説が集う場所
遠野市立博物館
日本屈指の民俗専門の博物館。「遠野物語」を軸にして資料を展示しているため、最初にここを訪れることで遠野の文化やその背景を知ることができ、物語への理解がより一層深まります。
・アクセス:JR遠野駅から約0.7km/徒歩約9分
・営業時間:9時00分~17時00分(入館受付は16時30分まで)
・料金:一般 310円/高校生以下 160円※未就学児童無料
・お問合:0198-62-2340
詳しくは ➡【こちら】
とおの物語の館
昔話の世界と文化を、音と映像で体感
とおの物語の館
この地にあった造り酒屋の蔵を改築し、遠野地方に古くから伝わる昔話を中心に映像や音で楽しむ体験型施設です。『遠野物語』の著者である「柳田國男展示館」もあります。
・アクセス:JR遠野駅から約0.6km/徒歩で約8分
・営業時間:9時00分~17時00分(入館受付は16時30分まで)
・料金:一般 510円/高校生以下 210円
・お問合:0198-62-7887
詳しくは ➡【こちら】
◉遠野物語の舞台を巡る
市内各地には、柳田國男の『遠野物語』に登場する由緒ある場所や、民話の情景を彷彿とさせる風景が数多く残されています。そんな民話の里を散策しながら、物語の世界に思いを馳せてみませんか?
カッパ淵
『遠野物語』第58話 川へ引きずり込もうとする いたずら好きなカッパがいるという
カッパ淵
常堅寺の裏手で、澄んだ水が音もなく静かに流れるカッパ淵。かつてここには多くのカッパが住んでいたという伝説が残っています。
常堅寺の境内には、その昔、火事の火消しを手伝ったことから祀られるようになった「かっぱ狛犬」が残されています。
・アクセス:JR遠野駅から約6km/車で約11分
※カッパ淵に駐車場はありませんので、伝承園・カッパ淵大型駐車場をご利用ください。
詳しくは ➡【こちら】
続石(つづきいし)
『遠野物語』第91話 人とは思えぬ赤い顔の男女 ここは山の神たちの遊び場だった
続石
鳥居をくぐり、山の小道を15分ほど登ると、杉林の小高いところに鳥居状の巨石に出会うことができます。
2つ並んだ石の片側のみ、幅7m×奥行き5m×厚さ2mほどの巨石が乗っている不思議な場所で、古代人の墓とも、弁慶が積んだとも言われています。
・アクセス:JR遠野駅から約10km/車で約15分
詳しくは ➡【こちら】
卯子酉神社(うねどりじんじゃ)
『遠野物語』第35話 かつて大きな淵があり ここに願をかけると不思議と男女の縁が結ばれた
卯子酉様(卯子酉神社)
恋愛の神様として知られる小さな祠。卯子酉様とも呼ばれています。境内にある無人販売店で赤い布を買い、左手で木に結ぶことができれば恋が叶うと言われています。
・アクセス:JR遠野駅から約2.5km/車で約5分
詳しくは ➡【こちら】
伝承園
『遠野物語』第69話 馬を愛し、ともに天に昇った一人の女 人々はこれをオシラサマとして祀った
伝承園
民話の世界が体感できる施設。園内には国指定重要文化財の南部曲り家や佐々木喜善記念館、オシラサマを祀った御蚕神堂(おしらどう)などがあります。
・アクセス:JR遠野駅から約5km/車で約10分
・営業時間:3月~11月 9時00分~17時00分(入館受付は16時30分まで)
12月~2月 9時00分~16時00分(入館受付は15時30分まで)
・料金:一般 330円/小中高校生 220円
・お問合:0198-62-8655
詳しくは ➡【こちら】
山口集落
『遠野物語』第111話 昔は六十を超えた老人はデンデラノに 追いやられたといわれている
山口の水車小屋
老人たちが暮らしたデンデラノをはじめ、物語の舞台が多く残る場所。『遠野物語』と関連した独特の集落景観は国の重要文化的景観に選定されています。
・アクセス:JR遠野駅から約12km/車で約25分
詳しくは ➡【こちら】
◉物語が生まれた背景を知る
遠野に語り継がれる数々の物語。
その裏には、厳しい自然と向き合いながらも温かさを忘れずに生きる人々の暮らしがありました。こうした物語が生まれた背景を深く知るには、関連する施設を訪れるのがおすすめです。
遠野ふるさと村
かつての暮らしにタイムスリップ!
遠野ふるさと村
馬と人が暮らした南部曲り家をはじめ、山里の暮らしを再現しています。
・アクセス:JR遠野駅から約12km/車で約20分
・営業時間:3月~11月 9時00分~17時00分(入館受付は16時00分まで)
12月~2月 9時00分~16時00分(入館受付は15時00分まで)
・料金:一般 550円/小中高校生 330円
・お問合:0198-64-2300
詳しくは ➡【こちら】
遠野 馬の里
乗用馬市場が毎年開かれる本州唯一の地
遠野 馬の里
競走馬や乗用馬の育成調教施設。乗馬やふれあい体験(要予約)もあります。
・アクセス:遠野駅から約7.8km/車で約14分
・営業時間:厨舎や施設見学自由
・乗馬教室: 土曜日13時00分~14時00分/日曜日11時00分~12時00分
・お問合:0198-62-5561
詳しくは ➡【こちら】