• 歳時記・パンフレット
  • ENGLISH
feature
  • 遠野市に残る日本の原風景|絶景スポット6選と観光ガイド

遠野市に残る日本の原風景|絶景スポット6選と観光ガイド

遠野市は「永遠の日本のふるさと」を掲げており、初めて訪れるのにどこか懐かしい、日本の原風景を残すまちです。さまざまな神様やカッパ、ザシキワラシなどが登場する不思議な物語がたくさん残っていることから、柳田國男の『遠野物語』の舞台にもなったところです。

遠野市は、どこか懐かしくも不思議な雰囲気に包まれた風景が広がっています。

  • 荒神神社
  • 荒川高原
  • 山口集落
  • めがね橋
  • 遠野ふるさと村

 

幻想的な景色が広がる「荒神神社」— 遠野遺産の魅力

遠野市の美しい原風景を残す場所の一つ「荒神神社」は、茅葺き屋根が特徴の趣深い神社です。田んぼの中にひっそりと佇むこの神社には、「権現様」が祀られており、隣の地区の権現様と争ったという伝説が残されています。この戦いで片耳を噛みちぎったことから、荒ぶる神として「荒神様」とも呼ばれ、地元の信仰を集めています。

「遠野遺産」にも認定された荒神神社は、特に春の田植え時期、水を張った田んぼに映し出される社殿の姿が幻想的で、多くのカメラマンや観光客を魅了します。この絶景は、メディアでも度々取り上げられており、遠野の観光名所のひとつとして広く知られています。

ただし、荒神神社へ訪れる際は注意が必要です。車6台分ほどの駐車スペースはありますがトイレの設備はなく、また個人所有の土地に建っているため、無断での立ち入りは控えましょう。マナーを守りながら、遠野の伝統と自然が織りなす独特の景色を楽しんでください。

  • 【お問合せ】0198-62-2340(市民センター/文化課)
  • 【所在地】〒028-0502 岩手県遠野市青笹町中沢21地割8
  • 【アクセス】鉄道:JR遠野駅から約8km/車で約13分
    車:釜石道遠野ICから国道283号線経由で約12km/約16分

 

雄大な「荒川高原」で出会う馬産地遠野の原風景

荒川高原は、早池峰山の南に広がる、薬師岳に連なる2,500ヘクタールの広大な高原地帯です。この高原は、馬産地として知られる遠野の象徴ともいえる景観を誇り、現在も放牧地として活用され「国選定重要文化的景観」にも選定されています。

ここでは「夏山冬里方式」と呼ばれる独特の飼育方法が行われており、5月から10月の間、牛や馬が自由に広大な牧草地で放牧されています。豊かな自然環境の中でのびのびと過ごすことで、動物たちはストレスを解消し、足腰を強化することができます。また、この放牧方法は畜産農家の労力軽減にも寄与しており、伝統的な飼育方法が現代にも活かされています。

遠野の豊かな自然と、古くから受け継がれてきた馬産文化を感じることができる荒川高原。さまざまな表情を見せるこの高原は、訪れる人々に癒やしと深い感動を与えてくれるでしょう。

  • 【お問合せ】 0198-60-2437(遠野市畜産振興公社)
  • 【所在地】〒028-0661 岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛16
  • 【アクセス】鉄道:JR遠野駅から約23km/車で約54分
    車:釜石道遠野ICから国道283号、県道160号経由で約25km/約56分

 

『遠野物語』の舞台「土淵山口集落」

荒川高原と同じく「国選定重要文化的景観」の一部に選ばれている土淵山口集落は、遠野中心部と三陸沿岸部の中間地点に位置し、かつては内陸と沿岸を結ぶ重要な街道として発展しました。街道沿いの家々では馬を飼い、農耕や駄賃付け(運送業)に利用していました。

この集落は『遠野物語』の著者、柳田國男にその題材を語った佐々木喜善が生まれ育った地でもあり、『遠野物語』に登場するさまざまな場所が集まっています。

昭和34年(1959)に街道が切り替えられたことで、大規模な開発を免れ、遠野の農村部における集落景観や伝統的な生活文化、共同社会が今も残る地域となっています。

さらに、平成28年(2016)には地域のシンボルである水車小屋が伝統的な工法に基づいて保存修理され、見物用の水車から実際に使える水車へと生まれ変わり、地域活動にも活用されています。

  • 【お問合せ】 0198-62-1333(遠野市観光協会)
  • 【所在地】〒028-0552 岩手県遠野市土淵町山口
  • 【アクセス】鉄道:JR遠野駅から約8km/車で約13分
    車:釜石道遠野ICから国道283号、国道340号経由で約11km/約15分

 

宮沢賢治の世界を感じる「宮守川橋梁」— 銀河鉄道のモデルとなった「めがね橋」

宮守川橋梁は、1915年(大正4年)に旧岩手軽便鉄道(現在のJR釜石線の前身)が花巻から遠野市東部の仙人峠間で開通した際に架けられた歴史ある橋です。5つの半円アーチが連なる美しいデザインが特徴で、地元では親しみを込めて「めがね橋」とも呼ばれています。

岩手出身の名童話作家・宮沢賢治は、この宮守川橋梁を走る「岩手軽便鉄道」をモデルに、名作『銀河鉄道の夜』を書いたと言われています。幻想的な物語の舞台が現実の風景に溶け込んだような、この橋の姿は、多くの人々にロマンを感じさせます。

さらに、平成21年(2009年)には「恋人の聖地」に、令和2年(2020年)には「日本夜景遺産」にも認定され、特に夜には幻想的なライトアップが施され、デートスポットとしても人気を集めています。歴史と文学、そしてロマンチックな風景が融合する宮守川橋梁を、ぜひ一度訪れてみてください。

※2024年8月の大雨の影響により、当面の間めがね橋のライトアップが休止となります。

  • 【お問合せ】0198-67-2929(道の駅みやもり)、0198-67-2111 (遠野市宮守総合支所 地域振興課)
  • 【所在地】〒028-0304 岩手県遠野市宮守町下宮守30−37−1
  • 【アクセス】鉄道:JR宮守駅から約9km/徒歩で約8分、
    JR遠野駅から約20km/車で約25分
    車:釜石道東和ICから国道283号経由で約15km/約25分
  • 【駐車場】あり/道の駅みやもり30台

 

神聖な空気に包まれた「早池峯神社」— 遠野三山の神霊を祀る歴史ある神社

早池峯神社は、遠野三山の神霊を祀る由緒正しい神社で、その起源は大同元年(806年)にまで遡ります。伝説によると、猟師が早池峰山の山頂で神意を受け、この神社を建立したとされています。

境内には拝殿や神門などの建物が点在し、周囲には古びた杉や桧の巨木が立ち並んでおり、神聖で荘厳な雰囲気が漂います。これらの巨木は何世紀もの間、神社を見守り続けてきた存在であり、訪れる人々に深い感動を与えることでしょう。

毎年4月29日に「ざしきわらし祈願祭」、7月18日に例祭が行われます。いずれも神聖な風習として、多くの参拝者が見守る中で厳かに執り行われます。

  • 【お問合せ】0198-64-2455(早池峯神社社務所)
  • 【所在地】〒028-0661 岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛19−81
  • 【アクセス】鉄道:JR遠野駅から約22km/車で約30分
    車:釜石道遠野ICから国道283号、県道160号経由で約24km/約32分
  • 【駐車場】あり

 

ドラマのロケ地にも利用される「遠野ふるさと村」で日本の原風景に溶け込む

遠野ふるさと村は、昭和初期の日本農村を忠実に再現した体験型施設です。美しく整備された里山の自然の中に、伝統的な南部曲り家が移築・保存され、昔ながらの農村風景を感じることができます。この村を管理する「まぶりっと(守り人)」たちの手による丁寧な手入れが施されており、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気が漂います。そのため数々の映画やドラマのロケ地として利用されています。

最近では、NHKの特集ドラマ「母の待つ里」のロケ地として利用されました。

村内では、まぶりっととの会話を楽しみながら、馬との触れ合いなど、ここでしか体験できない貴重なひとときを過ごせます。また、四季折々の美しい自然風景に包まれ、心身ともにリフレッシュできるのも魅力の一つです。

さらに、遠野ふるさと村では、日本の伝承文化や農村生活に触れられる多彩な体験プログラムが用意されています。農業体験や伝統工芸のワークショップを通じて、深く「日本のふるさと」を感じられることでしょう。家族や友人との思い出づくりに最適なこの場所で、心豊かな時間をお楽しみください。

  • 【お問合せ】 0198-64-2300
  • 【所在地】 岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛5-89-1
  • 【アクセス】鉄道:JR遠野駅から約10km/車で約15分
    車:釜石道遠野ICから国道283号線、県道160号線経由で約13km/約18分
  • 【営業時間】9時00分~17時00分(入場は~16時00分)
    11~2月は~16時00分(入場は~15時00分)
  • 【定休日】 無休(1~3月の水曜は休業)
  • 【料金】 入場一般550円、小・中・高生330円
  • 【駐車場】 あり/100台/無料
  • 【HP】https://www.tono-furusato.jp/

遠野には、独特の文化や自然が織りなす絶景が数多く点在しています。四季折々の風景や文化を感じる景色が、あなたの旅を特別なものにしてくれるでしょう。遠野でしか味わえない絶景の数々を、ぜひ自分の目で確かめに訪れてみてください!