語り部を生み出した山口散策コース
コース概要:山口の水車小屋▶山口の薬師堂▶ダンノハナと佐々木喜善墓地▶山口デンデラ野▶山口さんさ踊り(祭りや催事の際に見ることができます)
笛吹峠と堺木峠を通じて物と人が活発に往来した山口集落は、数々のひょうはくきり(語り部)を生み出した。ダンノハナとデンデラ野に両翼を包まれ、生と死がとなりあうミクロコスモスを味わいたい。
モデルコース
遠野遺産第9号 山口の水車小屋
【遺産の概要】
佐々木喜善のふるさとである土淵町山口集落に古くから残る水車小屋1棟。遠野の農村イメージを象徴する建物として、観光地となっている。古くからこの地にあるようだが建築年代は不明。現在でも使用可能という。故浦田穂一氏によって撮影された写真が、市の観光ポスター等に使用されて有名になった。
遠野遺産第58号 山口の薬師堂
【遺産の概要】
山口集落の東側の小高い山の上に薬師堂はある。薬師堂の隣にある山口館主の山口修理が勧請したと伝えられる。例祭は旧4月8日、前日の宵宮が盛大である。貞享二年(1685)銘の鰐口が奉納されている。堂には、薬師如来坐像と十二神将像が祀られている。十二神将像には、それぞれ頭部に十二支の意匠が施されている。十二神将は薬師如来の護衛隊の役割を担う。
遠野遺産第65号 ダンノハナと佐々木喜善墓地
【遺産の概要】
ダンノハナは、山口集落を挟んでデンデラ野と向かい合う東側の丘にある。生の空間の集落、死の空間のダンノハナ、その中間がデンデラ野として解釈される。山口館があったころは、囚人の処刑場であったという。ダンノハナの共同墓地には、『遠野物語』の話者である佐々木喜善の墓がある。ダンノハナについては、『遠野物語』111話、112話に登場する。
遠野遺産第21号 山口デンデラ野
【遺産の概要】
遠野物語の姥捨て伝説の地として知られる遠野を代表する観光地の一つ、5haほどの原野、一部耕作地。遠野物語111話「山口、飯豊、附馬牛の字荒川東禅寺及び火渡、青笹の字中沢並に土淵村の字土淵に、ともにダンノハナと云う地名あり。その近傍に之と相対して必ず蓮台野(デンデラノ)と云う地あり。昔は六十を超えたる老人はすべて此蓮台野へ追ひ遣るの習ありき…」
遠野遺産第117号 山口さんさ踊り
※祭りや催事の際に見ることができます。
【遺産の概要】
大正4年頃、小国村(宮古市小国)の尻石磯吉が厚楽家へ婿入りし、その兄嫁からさんさ踊り教えてもらった。この兄嫁は箱石村(宮古市箱石)横沢の出身で、さんさも当時そこで踊られていたものという。文献によると、大久保さんさ踊り(宮古市小国大久保)が山口に伝わったとされている。踊り手は保育園児~高校生、若いお母さん方が担っており、地区全体で保存に取り組んでいる。山口薬師堂まつり(5月)、土淵まつり・倭文神社例祭(8月)、遠野まつり(9月)等で披露される。